Codexのディープリサーチを作ってみた

見出し画像

ディープリサーチって、ふつうにAIへ「調べて」と頼むのと、何が違うの?

ぼくはClaude CodeとCodexを使っています。 調べものも両方に頼めるのですが、ある日、調べる「頭」よりも、調べる「手順」が気になりました。

目次

ディープリサーチは、答えの裏を取る調べもの

資料を読み比べ、答えの裏を取るサボテン先生

ディープリサーチは、一つの答えを出すために、複数の資料を探して読み、食い違いまで確かめる調べ方です。

名前は難しそうですが、学校の調べ学習に近いです。

最初に見つけたサイトを写して終わるのではなく、本も読む。 別の説明と比べる。 「本当にそうかな?」と確認してから、出どころ付きでまとめる。

たとえば、「このサービス、需要ある?」と聞いたとします。

紹介記事を一つ見つけるだけでは、需要がある証拠にはなりません。 誰が買うのか、似たサービスはあるか、失敗例はないか。 違う方向から調べて、判断に使える材料を集めます。

長い返事になっただけでは、深く調べたことにはならない。 ここが、ぼくにとって大事な違いでした。

Claude Codeでは、こう頼める

Claude Codeで調べたいことをひと言で頼むイメージ

2026年10月7日に公式案内を確認しました。 Claude Codeには `/deep-research` が用意されています。 調べたいことを、その後ろに書きます。

Claude Codeの入力欄へ、そのまま渡せる例です。

/deep-research 日本の個人店向けに、AI導入を手伝うサービスの需要を調べてください。買う人、競合、料金、失敗例を比べて、出典付きでまとめてください。

裏側では、複数の方向から検索します。 見つけた資料を読み、内容を照合し、確かめた結果をレポートにします。

調査の実行を確認する画面が出たら、内容を読んで、その回を進める選択をします。 進み具合は `/workflows` で確認できます。

この機能には、Web検索が使える環境が必要です。 公式では有料プランが対象です。 Proでは、`/config` の「Dynamic workflows」をオンにする案内があります。 「決まった手順で複数のAIを動かす機能」の設定です。

コマンドが見つからなければ、まずClaude Codeにこう聞いてください。

この環境で /deep-research を使えるか、版・プラン・Web検索・必要な設定を確認してください。設定は勝手に変更せず、必要な操作だけ、やさしく説明してください。

呼び出し方と実行条件は、Claude Codeの日本語公式案内で確認しました。

https://code.claude.com/docs/ja/workflows

Codexも調べられる。でも、最初の自作版には穴があった

初版では同じAIが文章作成と採点をしていた

ここは、ぼくが最初に混同していたところです。

Codexには検索の道具があります。OpenAIの公式案内にも、Workで使うDeep researchがあります。 「Codexには調査機能がない」という話ではありません。

Workは、AIに調査やファイル作成などの仕事を任せる場所です。 そこで使う公式の機能と、今回ぼくのCodexに作ったスキルは別物です。 使える機能は、アカウントや設定によって変わります。

ぼくが欲しかったのは、Claude Codeのような調べ方を、ふだんのCodexでも頼める状態でした。

最初に作ったスキルにも、検索して根拠を確かめる手順はありました。 ただ、書いたAIとは別のAIが検品する仕組みは、まだ入っていませんでした。

自分の作文を、自分だけで採点している感じです。 読み返しは大切。でも、思い込みまで自分で見つけられるでしょうか。

ぼくが「ちょっと弱そう」と感じたのは、この手順の差でした。 Codex全体の性能がClaudeより低いと、比べて証明したわけではありません。

そこで、Claude Code側の担当に、調べ方を説明してもらいました。 その説明を受け取り、Codexへ「かんせいさせて スキルを」、続けて「Astraがつくって」と頼みました。

調べる係と、確かめる係を分けてみた

調査役とは別の3人が互いの答えを見ずに確かめる

スキルは、繰り返す仕事のやり方を、AIが読み出せる形で保存したものです。 毎回、長い指示を書かなくて済みます。

今回作り直した版では、まず問いを5つの切り口に分けます。

さっきのAI導入サービスなら、買う人、競合、料金、失敗例、始めやすさ。 これは説明用の例です。実際の切り口は、調べたいことに合わせて決めます。

資料を探したら、検索結果の短い紹介文だけで決めません。 元のページを読み、重複を整理して、確かめたい内容を一文ずつ取り出します。

そこで、別のAI3人に検品を頼みます。

検品役は、他の人の判定を見ずに、元の資料と反対の証拠を調べます。

2人が根拠付きで誤りと判断した内容は、結論から外します。 大きな食い違いが解決しなければ、無理に白黒をつけず保留します。 反対の情報が見つからないだけでは、「正しい」にしません。

採点する人を増やしただけでなく、採点する前に他の人の答えを見せない。 ここも、今回の工夫です。

同時に動かせる人数には限りがあるので、必要に応じて順番に動かします。 Claude Codeと内部の動きまで丸ごと同じにしたのではなく、調査と検品を分ける考え方を取り入れました。

入れるだけで終わらず、小さな調査で試した

上陸と通過の違いを小さな問いとして調べる場面

※絵は調査場面のイメージです。用語は気象庁の定義で確かめました。

「スキルを置きました」で終わるのも不安です。 そこで、実際にWeb検索する試験をしました。

試したのは、台風の「上陸」と「通過」は同じ意味か、という問いです。

結果は、同じではありませんでした。 気象庁では、小さな島などを横切って短時間で海へ戻る場合を「通過」としています。

検索役に5つの切り口を分担してもらい、元の資料を読みました。 大事な説明2件を、別の検品役3人がそれぞれ確認しました。 2件×3人で、6件の判定記録が残りました。

さらに、検品の記録を点検するプログラムも試しました。 自分で自分を検品した記録や、元ページを読んでいない判定を通さないか。 そうした15種類のテストに合格しています。

途中で、元ページを本人が読んだかどうかの検査が足りないと分かり、直しました。 最初から一発で完成したわけではありません。

これは、小さな用語調査と、仕組みの動作確認です。 15種類のテストは、15分野の調査で高得点だった、という意味ではありません。 参照した2ページも、どちらも気象庁です。 別々の2機関から裏付けを取った試験ではありません。

試験で確認した用語は、気象庁の日本語ページに載っています。

https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/haichi2.html

次からは短く頼む。まだ入っていない人は、作るところから

自分のCodexに仕組みを頼み、小さな問いから試す

ぼくのCodexでは、スキルとして読み込めることまで確認しました。 導入した環境では、次のように頼めます。

ディープリサーチで、日本の個人店向けAI導入支援の需要を調べて。買う人、競合、料金、失敗例を比べて、出典付きでまとめて。

スキルを名前で指定するなら、こちらです。

$deep-research 日本の個人店向けAI導入支援の需要を調べてください。

ただし、この一文だけで、読者のパソコンにも同じスキルが入るわけではありません。

自分のCodexにも似た手順を作りたい人は、ファイルを扱えるCodexの入力欄へ、まず次を渡してください。 これは今回の仕組みから組み直した作成用プロンプトです。 同じ完成品を配るZIPではなく、この文面の別のパソコンでの通し試験はしていません。

公開情報を調べる deep-research スキルを作ってください。

最初に、このCodexでWeb検索・元ページの閲覧・別のAIへの分担・スキルの保存が使えるか確認してください。同名スキルがある場合は、上書きせず内容を確認してください。

調査する問いを5つの切り口に分け、資料を探してください。ページ数のために集めず、重複を除いた元ページを最大15件読み、重要な説明を最大8件に絞ってください。

調査して書くAIとは別の、新しい検品役3人を使ってください。検品役には固定した説明と元ページを渡し、他の人の判定は見せないでください。各人が元ページを読み、反対の証拠も検索してください。

支持・反証・不明を、理由とURL付きで記録してください。反証が見つからないだけで支持にせず、古い日付だけで誤りにしないでください。2人の根拠付き反証で結論から外し、重大な食い違いが未解決なら保留してください。

検索や別AI3人の検品ができない場合は、その不足を報告してください。1人の自己点検を独立検品の成功と呼ばないでください。

同時に動かせる人数を守り、必要なら順番に実行してください。記録を点検するプログラムと、不正な記録を拒否するテストも用意してください。

秘密情報や顧客データは外へ送らず、有料サービスの追加や権限設定の変更はしないでください。必要な承認は通常の手続きで確認してください。

既存スキルを変更しない安全な場所で、小さな公開情報の調査を実行してください。動作確認後、同名スキルがなければ、この利用者のCodexで使える場所へ保存し、読み込みと呼び出し方を確認してください。同名があれば更新案を示して、確認を待ってください。

実装・配置・動作試験・調査の品質を分けて報告してください。Claude Codeと同じ性能になったとは、比較せずに断言しないでください。

今回作ったスキルは、OpenAI公式のDeep research機能でも、Claude Codeそのものでもありません。 同じ問いで両者を比べる性能試験は、まだ行っていません。 同じモデルのAIが共通の間違いをする可能性もあり、使うモデルで判断の質も変わります。

新しい有料サービスは足していませんが、複数のAIが働くぶん、Codexの利用量は増えます。 毎日の小さな質問より、出典を間違えたくない調査で使う形です。

ぼくはプログラムを書く代わりに、「どう調べてほしいか」を頼みました。 最初の版の足りないところを見つけて、仕事のやり方を育てていく。

まずは、公式資料で答えを確かめられる小さな問いを一つ。 自分のCodexがどう調べて、誰が確かめたかを見てみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

🌵 AIで手が止まったら、次に試す1つが見つかる。
📝 コピペで使える、AIへの頼み方
🖥️ 画面を見ながら追える、操作の手順
💰 料金と使いどころがわかる、比較と実例